肝臓内科とは
当院の肝臓内科では、B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝、肝硬変，自己免疫性肝炎，原発性胆汁性胆管炎（肝硬変）などの専門的な診療を行っています。
日本の肝炎ウイルス感染者は約40人に1人とされています。また生活習慣が原因で起こる脂肪肝や肝硬変も少なくありません。肝臓にトラブルを抱えている方は、多くいらっしゃいます。
現在、肝炎には有効な治療法があります。脂肪肝は、放置していると肝硬変や肝臓がんを発症するリスクが高くなるので早めに治療を始めることが重要です。
当院の肝臓内科では、日本肝臓学会認定専門医による検査・治療を行っています。健康診断の結果で肝機能に不安がある方もお気軽にご相談ください。
肝臓病の症状について
肝細胞は再生能力が高く、機能を果たさない部分が生じても他の部分が補完する予備能力も優れています。反面、肝臓疾患があっても重症化するまで自覚症状に乏しく、倦怠感、食欲低下、むくみ、腹水、黄疸といった肝臓疾患の症状は、肝機能がかなり低下してから現れることがほとんどです。
症状のないまま進行して肝硬変、肝臓がんを引き起こす可能性が高いB型肝炎とC型肝炎は、血液や体液を介してうつる感染症であり、自覚症状のない早期に発見して適切な治療を行うことが重要な病気です。健康診断などで肝機能障害を指摘されたら、専門的な検査と診療が可能な肝臓内科をできるだけ早く受診するようお勧めしています。
主な肝臓病と当院での治療
C型肝炎
感染している方の血液や体液を介して感染するC型肝炎は、慢性化しやすい傾向があります。C型肝炎ウイルスに感染した約7割が慢性肝炎を発症し、放置していると10～30年後に肝硬変や肝臓がんに移行する恐れがあります。
以前はインターフェロンを中心にした治療が行われていましたが、現在では内服薬のみによる治療が可能になっています。インターフェロン治療ができない方、副作用で中止した方、十分な効果を得られなかった方も、改善できる可能性があります。当院では研鑽を積んだ認定専門医が患者さんの状態を見極めて適切な治療法をご提案しています。また、C型肝炎は公費負担医療制度を利用した治療が可能です。そうした手続きなどに関してもわかりやすいアドバイスを行っていますので、お気軽にご相談ください。
B型肝炎
母子感染、タトゥーやピアス、針刺し事故、性交渉などで感染します。ほとんどは一過性の感染で終わりますが、生涯に渡って感染が続く持続感染を起こすことがあります。潜伏期間1～6か月を経て症状を起こす急性肝炎では、まれに命にかかわる可能性のある劇症肝炎を発症することがあります。
母子感染や乳幼児期の感染の場合には慢性肝炎に移行し、数年から数十年近く無症状キャリアという状態が続きます。その後一過性の強い肝炎を起こし、その後はほとんどが安定しますが、10～20%は、肝硬変や肝臓がんに進展するケースがあります。B型慢性肝炎は、体内のウイルスを完全排除することはできませんが、治療によって肝硬変への進展や肝臓がん発症を抑える効果が期待できます。B型肝炎は公費負担医療制度を利用した治療が可能です。そうした手続きなどに関してもわかりやすいアドバイスを行っていますので、お気軽にご相談ください。
脂肪肝
肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態であり、肝細胞全体の30%以上が脂肪化しています。脂肪肝は健康診断などで指摘されることが多いのですが、自覚症状がほとんどないことから受診が遅れるケースが少なくありません。脂肪肝の中には、肝硬変や肝臓がんに進展する可能性が高いものがありますので、早めに専門医の診療を受けて状態を把握することが重要です。
脂肪肝の主な原因には、飲酒、肥満、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病、服用している薬の影響などがあります。軽度な脂肪肝の場合は、節酒・減量など原因にアプローチした治療で比較的楽に改善可能です。特にお腹がポッコリ出た内臓脂肪肥満型で糖尿病・脂質異常症・高血圧のうち2つがあるメタボリックシンドロームの場合、肝硬変や肝臓がんに進展する可能性がある非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が疑われますので、早めに肝臓内科を受診しましょう。
当院でできる肝臓の検査
血液検査と腹部エコー(超音波)検査を行って診断します。血液検査では、肝臓の炎症の程度、肝臓の予備能力、腫瘍マーカーなどによる検査を行います。腹部エコー(超音波)検査では、肝細胞がん特有の所見がないかを確認します。
健康診断や人間ドックで肝機能の異常を指摘されたら早めにご相談ください
肝機能検査値のALT(GPT)値に関して、要精密検査・要指導と指摘された場合、B型肝炎C型肝炎に感染している可能性があり、早期の受診が必要です。 肝臓疾患の検査や治療法は進化していますので、当院では患者さんの症状や体質などにきめ細かく合わせた治療法をご提案しています。
